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ニュートラルな気づき 


by honnowa
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『冨士三十六景のすべて』展

歌川広重没後150年記念企画展[復刻版画] 『廣重 冨士三十六景のすべて』(三菱東京UFJ銀行貨幣資料館)を観てきました。
※ この展覧会は7月10日で終了しました。
※ 記事中の作者名、作品名はすべて引用資料に準じています。

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この『冨士三十六景』は広重の実質的な絶筆で、死後に発行されたものです。
(安政6年 1859年)
全36枚と目録、そして一部ですが、北斎の『冨嶽三十六景』も並べて展示されていました。
資料などを読みますと、広重は北斎の『冨嶽三十六景』を意識していたようです。
展覧会チラシには、「北斎の造形美極めた漢画風の線描に対して、広重は、持ち味を生かした叙情的で色彩豊かな画風」と評しています。
たしかに並べると、北斎の大胆な造形美と比べ、広重のは晩年の作ということもあるのか、静的な安定感が画面を占めます。
同じ広重の代表作『東海道五十三次』に若い躍動感があるとすれば、こちらは巨匠の貫禄といったところでしょうか。

浮世絵は印象派画家に多大な影響を与えましたが、どのような影響であったのか、会場での次のキャプションがわかりやすかったでご紹介します。

  廣重と印象派
    ヨーロッパでの浮世絵への関心は、東洋の端の小国に対する異国趣味の中で始まりま
  したが次第にその本質をとらえ、その中から自分達の芸術に有益なものを取り込んでいく
  ようになっていきます。具体的な浮世絵師名としては広重と北斎が有名ですが、特に広重
  はゴッホがその作品を模写するなど特に注目すべき絵師でしょう。
    ヨーロッパの画家たちが浮世絵の造形要素の中でとりわけ驚きを持って受けとめたの
  は、その色彩と構成です。単純明快な色面による画面構成は、浮世絵版画の最も顕著な
  特色です。平面的な色面を並べただけで万物を表現し得た浮世絵版画に、彼らは色面と
  色面の織りなすハーモニーに驚いたのでした。
    また浮世絵版画の、極端に上から見おろしたり、下から見上げたりする自由な視点や、
  松や梅の木を前景に大きく描きながら画面の縁で断ち切ってしまう手法は驚きでもあり、
  新鮮でもありました。広重はこの点でも優れた手腕を発揮しています。
by honnowa | 2008-07-13 06:50 | 美術