『国宝源氏物語絵巻と平成復元模写』展 3
2007年 12月 13日
平成17年に完成した復元模写ですが、まず意外な驚きだったのは、地塗りの銀泥の輝きです。
まるで月の光のような清々しさです。
昔の日本画は金のイメージが強いでしょう。
後世の屏風や扇面の数々の源氏絵や、同じく徳川美術館所蔵の土佐光則筆、『源氏物語画帖』の印象もありましたから、予想外でした。
その銀地に、寝殿の白木のベージュ。
緑青の畳や御簾、山、前栽。
男君の青い紗の装束。
女房たちの極彩色の十二単と黒々と流れる長い髪。
絵というよりも光を集めた宝石箱の趣で、言葉も出ない鮮やかさでした。
原本である国宝『源氏物語絵巻』は、今でこそ保存のために絵と詞書が別々に裁断、額装されていますが、もともとは詞書、絵の順に繋がってました。
詞書のほうはまだ復元されていませんし、すっかり古色に落ち着いているものの、金、銀、さまざまな技法で装飾された料紙ですから、これが当時の輝きで絵と繋がっていたらと思うと、想像は尽きません。
いや~、観たい!
徳川、五島両美術館様、何卒頑張ってください。
《参考サイト》
・『徳川美術館』の 『過去の企画展示』より 土佐光則筆、『源氏物語画帖』
(http://www.tokugawa-art-museum.jp/special/2002/miyabi/obj01.html)