分子美食学(または分子料理法)
2007年 12月 06日
それはフランス人科学者エルヴェ・ティス氏が、2006年1月に来日した際に何かの雑誌に掲載されたものです。
「分子美食学」という初耳な言葉と、「料理と科学の関係」、「分子学を用いて美食の原理やメカニズムを解明し、理解する」、「『味の美しさ』はどういうメカニズムになっているのか」などの言葉に惹かれて読みました。
実はわたしはお料理そのものは関心が乏しいのですが、こういうアプローチでこられると俄然興味が湧くのです。
NHKの『ためしてガッテン』とか小泉先生の発酵のお話とか大好きなのです。
さて肝心のティス氏の研究の内容なのですが、その記事の出典元がわからないので、はてどうしたものか。
ネットで調べると、その来日の時に服部栄養専門学校で講義が行なわれ、その様子をサイトで公開していましたので、リンクを張らせていただきます。
まずはエルヴェ・ティス氏はどういう研究をしているのか。
服部栄養専門学校様のHPから『ニュース』より
『エルヴェ・ティス教授の講習会が開催されます』
そして講義の内容です。
ここには2つの動画も公開されています。
2つ目のほうはプロ用の技法なのですが、1つ目のほうはお菓子作りが趣味の方にはとても興味深い内容だと思います。
経済的にもお役立ち情報かも。
同上より 『エルヴェ・ティス教授講習会の模様』
さて上記サイトの記事と、わたしの入手した雑誌コピーの記事とで幾つか相違点があります。
それは訳語の違いです。
具体例をあげますと、
「分子美食学」(雑誌)と「分子料理法」(サイト)
「単音料理法」( 〃 )と「音階調理法」( 〃 )
などです。
ティス氏の提唱はもっと古いのですが、まだ日本に定着していなかった概念なのでしょう。
ちなみに本日のGoogle検索では、
「”分子美食学”」 597件、「”分子料理法”」 3600件、「”分子料理学”」 94件となり、「分子料理法」の言葉が広まっているようです。
もとはたぶん「ガストロノミー」で、辞書的には「美食」という意味です。
「美食学」とするか「料理法」とするかで、だいぶイメージが変わりますが、料理学校での制作講習では「料理法」ということになるのでしょう。
「美食学」とした雑誌インタビューは、料理というよりまるで香水の研究のお話みたいでした。
香水を創るにも処方箋があり、音楽用語で表現したりするからです。