生命科学の世代交代はケータイやパソコン並みかも
2007年 11月 19日
Excite エキサイト : 社会ニュース
世界初のクローン技術による哺乳類、羊のドリーが誕生したのは、1996年のことです。
このニュース以降でしょうか。
生命科学の分野が、宇宙開発のニュース並みに扱いが大きく、目立つようになった気がします。
それにしてもまだたったの11年前のことだったのですね。
20年くらい昔の話のような感じがするのは、ゲノムや遺伝子組み換えなど、その間にも続々と大きな発見、開発が発表されたからです。
ヒトクローン胚研究は、胚性幹細胞(ES細胞)づくりに役立つとされています。
以下の灰色の文章はわたしなりの素人理解なのですが、
・ ヒトクローン胚づくりには、卵子と核の提供があればよい。
・ ヒトクローン胚づくりには、卵子と精子による受精卵は必要ない。
・ ヒトクローン胚は子宮に着床すれば、核を提供した人のクローン人間が誕生する。
・ ES細胞を取り出すには受精卵が必要。
・ ヒトクローン胚を転用すれば、ES細胞を取り出すのに使える。
・ ヒトクローン胚から取り出したES細胞は、「クローンES細胞」という。
ES細胞の研究については、今年のノーベル医学生理学賞を受賞しています。
(07/10/10の記事参照)
しかし絶えず倫理問題がつきまとう、この研究。
博士の方向転換は、ES細胞、クローンES細胞の研究の取り組みにも影響を及ぼすかもしれません。
博士を方向転換させた京大の山中教授の研究とは、皮膚の細胞にある種の遺伝子を組み込んで、ES細胞によく似た性質の細胞に変化させるものです。
この方法が期待されているのは、生殖細胞を使わないからです。
詳しくはこちらをご覧ください。 (リンクは張っていません)
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20060811ke01.htm
ドリーつくった英博士、胚研究断念 京大手法が有望と判断 [ 11月17日 19時10分 ]
共同通信
【ロンドン17日共同】世界初の体細胞クローン羊ドリーを誕生させた英国のイアン・ウィルムット博士が、ヒトクローン胚研究を断念する方針を決めたと、17日付英紙が報じた。京都大の山中伸弥教授らの研究手法の方が治療用万能細胞づくりに有望と判断したためという。博士は山中教授の業績を参考に新研究に取り組むようだが、クローン研究開拓者の方針転換は世界の研究者に衝撃与えそう。