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ニュートラルな気づき 


by honnowa
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源氏物語の魅力 

昨日07/11/02の記事の続きです。

最近は古典の解説本を読むときは、引用されている原文を音読するようにしています。
読書を単調にしないようにするためもありますし、和歌などは暗記してしまいたいというのもあります。
(暗記が苦手なので実際は無理ですが、まあ一部分でも記憶の片端に残ればよいです)
少し慣れると、古文はとても音読しやすいことに気づきました。
そして古典でも和歌や随筆、物語といろいろありますが、『源氏物語』が一番読みやすく感じます。

当時の物語は文字通り語られていたので、式部もとうぜんそのことを意識して書いたでしょうから、音の配列、文節の長短のバランスなど工夫があるのでしょう。
また当時の正式な文書は漢文で書かれていたので、正式でないものとして、仮名で書かれた文章は話し言葉に近いのでしょう。
ただしそれは『源氏物語』に限らず、同じ時代に書かれたもの全てに該当することなので、源氏特有の理由は、おいおい探ろうと思います。

源氏が読みやすいのは地の文だけではありません。
物語中に挿入されている795首もの和歌も、音読しやすいです。
挿入和歌が、万葉集や古今集などの選ばれた秀歌と比べ、作品としての文学的なレベルが勝るかどうかは別としてですが、読みやすいのは式部の作った歌なのです。
そうなると先にも書きましたが、式部特有の工夫や文体、センスといったものがあるはずです。
式部の挿入和歌は物語に沿っていることはもちろんですが、既存の文学の引用の多彩さ、加えて読みやすさと、彼女の文学的才能はどれほどすごいのかと、勉強すればするほど驚嘆します。
by honnowa | 2007-11-03 06:15 |