何の葉っぱかわかりますか? ヒント、おいしいものを包みます。
2007年 05月 23日
すぐにわかった方は和菓子大好きですね。
これは麩饅頭(ふまんじゅう)を包んでいる葉っぱですよ。
名前はサルトリイバラ、別名サンキライ(山帰来)です。
以前、有名な大口屋の麩饅頭をいただきながら、これ何の葉っぱだろうと思ったんです。
あれから大分経ち、ひょっこり謎が解明しました。
林の中でけっこういっぱい生えてました。
しかも意外なことに木の葉っぱではありませんでした。
一応落葉低木なのですが、つる性で茎に棘があるので多年草に見えます。
つるが直接絡むのでなく、右の写真のとおり巻きひげが伸びます。
秋には実が赤く熟すのでリースにもなるそうです。
あらら、去年の秋はまったく気づかなかった。
でも今年は大丈夫。
麩饅頭とセットで強力に頭にインプットされましたから。
ところで名古屋では麩饅頭の葉っぱですが、九州のほうでは柏餅をこの葉っぱで包むそうです。
柏の木が育ちにくいのでしょうか。
柏でないのに柏餅と呼ぶのも不思議な感じです。
でも見た目には、柏の葉よりもサルトリイバラの葉のほうが形がポテッと丸くてかわいいし、光沢もあるし、おいしそうですよね。
(でも柏餅は柏の葉でなくちゃあ)
それから麩饅頭は、サイトをいろいろ見ていると、よその地域では笹の葉で包むようですね。
こちらだと、有名どころでもない普通の和菓子屋さんでもサルトリイバラの葉なんですけど。
さてこの話を職場で披露したら、そもそも麩饅頭を知らない人がいて・・・
コネタのつもりだったのに、あれこれと説明をしなければなりませんでした。
念のために麩饅頭とはどんなものか解説しますね。
麩饅頭の中はこし餡ですが、皮は通常の饅頭とは違います。
麩饅頭の皮はグルテンなのです。
グルテンとは小麦粉に含まれるたんぱく質のことで、粘りや弾力の基になるものです。
強力粉を水でこね、次に水に浸し、余分なでんぷんを洗い流し、残ったネバネバした弾力性のものがグルテンです。
こちらに麩饅頭の作り方が載ってました。
『大阪市立環境科学研究所附設栄養専門学校』様の『最近の実習から』より
『その2 食品加工学実習「麩まんじゅう」』
サルトリイバラの詳細はこちらをどうぞ。
『岡山理科大学 総合情報学部 生物地球システム学科 植物生態研究室(波田研)』様
より『サルトリイバラ』