五輪 男子FSの感想
2010年 02月 21日
選手の皆さん、お疲れ様でした。
そして素晴らしい演技と感動をありがとう。
と、テレビLIVEを観終わった直後は爽やかな感動に包まれていたのに、その後いろいろな情報を集めるにつれてモヤモヤとしたものが・・・
印象が変わらないうちに、フリーの感想を残しておこう。
名前の前の数字は滑走順です。
全員の演技を観れなかったので、ちょっと残念。
6 エイドリアン・シュルタイス (FS13位 総合15位)
使用曲 「ティアドロップ」 (曲:マッシヴ・アタック)
「Insane in the Brain」 (曲:サイプレス・ヒル)
「Smack my bitch up」 (曲:プロディジー)
スウェーデンの不思議君。
チラ観しかできませんでしたが、シュールさ全開でした。
職場が暇な時だったら、周りの人たちに彼を観るよう勧めたのに、残念。
13 小塚 崇彦 (FS8位 総合8位)
使用曲 「ギター・コンチェルト」 (作曲:マイケル・ケイメン、演奏:布袋寅泰)
振付:佐藤有香
小塚君、凄くよかった。
一番いい演技を、初出場の五輪の舞台でできるなんて。
苦手な4回転を成功させて、男子はこうでなくては。
イーグルもカッコよく、お客さんもわいてましたね。
「ギター・コンチェルト」いい曲です。
小塚君の好演技で、音楽の魅力がより増しました。
16 フローラン・アモディオ (FS15位 総合12位)
使用曲 映画「アメリ」より (作曲:ヤン・ティルセン)
「夜想曲第20番」 (作曲:ショパン 編曲:リマインドオーケストラ)
「回転木馬」 (シルク・ドゥ・ソレイユより 曲:Benoit Jutras)
SPが放送されなくて、可哀そうだったアモディオ君。
フリーを観れてよかったです。
彼以降はLIVEを全員観ることができました。
17 パトリック・チャン (FS4位 総合5位)
使用曲 「ファンタジア~『オペラ座の怪人』組曲」 (by アンドルー・ロイド・ウェバー)
(演奏:ジュリアン・ロイド・ウェバー、サラ・チャン 振付:ローリー・ニコル)
ジャンプがどうも・・・
そのせいか演技全体もやや精彩を欠いた感じがして、まあ初めての五輪だし、こんなものかなと。
若いし、実力を発揮できないのも実力のうち。
と、普通に観終えたのですが、後で彼の採点を知りモヤモヤ感が込み上げて来ました。
後で動画をもう一度観てみようと思います。
18 ミハル・ブレジナ (FS11位 総合10位)
使用曲 「パリのアメリカ人」 (作曲:ガーシュウィン)
NHK杯に出ていたので、彼のピンクベストを覚えていた人たちが「春日」と呼んでいました。
ちょっとミスが出ましたが、それでも大崩れせず、これからが楽しみな選手です。
19 エバン・ライサチェク (FS1位 総合1位)
使用曲 「シェヘラザード」 (作曲:リムスキー=コルサコフ)
わたしは大技嗜好ですが、それでも今回の彼の優勝は納得しています。
(プルシェンコ選手優勝だったとしても納得でしたが)
それほど彼の演技は素晴らしく、圧巻で、わたしは確かに感動しました。
一緒に観ていた人たちが、長身だから見映えがすると言ってましし、今回の演技は確かにそうでした。
フィギュアスケートは本当は長身過ぎると不利なのですが。
これまで彼の演技は面白みに欠けて、あまり魅せられたことがなかったのですが、今回は目が離せなく、すぐにもう一度観たいと思いました。
男性らしい力強い演技が続く中、扇情的な振りはなかったのに、色気が彼の身体から立ち上り、ここまでの演技に到達するのにどれほどの練習と努力をしてきたのだろうと、胸打たれました。
20 織田 信成 (FS7位 総合7位)
使用曲 「チャールズ・チャップリンメドレー」 (作曲:チャールズ・チャップリン)
振付:ニコライ・モロゾフ
ごめんなさい。
わたしは素直に「頑張ったね」とは書けません。
靴紐のことはともかく、4回転回避のことです。
ここで飛ばなければ、一体いつ飛ぶのでしょう、何のために練習しているのでしょう。
ライサチェック選手の回避は有効な作戦だと思います。
そして高橋選手がもし回避したとしても、それでもよかったと思っています。
少し点差が離れての4位、だからこそ織田選手は挑まなければならなかったのに。
守る演技をするということは、上位3人が崩れなければメダルは貰えません。
プルシェンコが崩れるとでも思ったのでしょうか?
ライサが最高の演技をしたのは、目の前で見ています。
そうすると大ちゃんが崩れることを期待したのでしょうか?
緊張のあまり、そこまでも計算せずに、無意識に回避を選択したのでしょうが、今季は試合で挑戦しなかったのでなんとなく逃げ癖がついてしまったのかなと残念です。
コーチはこういうときに背中を押して上げて欲しかったし、勇気が出せるような指導をして欲しかったです。
カナダのお客さん、拍手が暖かでしたね。
ありがとうございました。
21 ステファン・ランビエル (FS3位 総合4位)
使用曲 「椿姫」 (作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ)
欧州選手権でもあのような演技でした。
これまたファンの方、ごめんなさい。
得意の部分とそうでない部分が凸凹と歯抜けに観えてしまい、どうしてもまとまりが感じられないのです。
ユーロの2位も驚いたのですが、今回の結果も・・・
他によい選手がいなければ順位は上がるわけですが、ユーロはともかく、今回は他にもいい選手いるのに。
22 高橋 大輔 (FS5位 総合3位)
使用曲 「映画『道』より」 (作曲:ニーノ・ロータ)
振付:パスカーレ・カメレンゴ
よかった~
彼は落ち着いていましたね。
道化師としての演技の表情もよかったし、ジャッジに色目アピールもバッチリきまってました。
もちろんこれだけの役者のような動作をしながらも、かんじんのスケートの方だって、4回転ジャンプ以外のミスは素人目にはわかりませんでした。
素晴らしい銅メダルです。
そして日本から何人いったの?と驚くほどの、国旗と声援。
ブラボーです。
23 ジョニー・ウィア
使用曲 「フォーリン・エンジェルズ」 (by Various Artists)
振付:デヴィッド・ウィルソン
ジョニー選手も、とてもよい演技でした。
ノーブルで、繊細でありながらも、力強く、SPで「何、コイツ」といっていた職場の男子も、感心して魅入ってました。
みんな、「結構うまいねぇ」って・・・
あの~、ジョニーは全米で三年連続チャンプになったこともあるし、先のトリノでも5位に入賞した実力者なんですけど。
そしてキスクラ!
手作り花冠が可愛すぎる。
先のSPの衣装とお揃いのハートクッションといい、どうしてオリンピック会場でこんな凝ったものが投げ込まれるのだ。
ファンが熱いよ。
24 エフゲニー・プルシェンコ
使用曲 「タンゴ・アモーレ(Tango Amore)」 (by エドウィン・マートン)
振付:ダヴィド・アヴディシュ
登場した時はSPのときよりは大丈夫に見えたのですが。
やはり体調は回復しなかったようです。
それなのに4-3は艶やかに決まるし、残りのジャンプはすべてぶれていましたが、それでも着氷してしまうという凄さ。
あれだけ軸がぶれていても転倒しないなんて、ある意味別の技術点を上げたいくらいです。
そして痛々しい演技の中でも、笑える所作。
どこまでプルシェンコはプルシェンコで、サービス精神旺盛なのでしょう。
(観客を笑わかすためのコミカル演技のつもりはないのでしょうけど)
ただ演技や技術を超えた本当の熱いもの、感動と言う点では、わたしはライサの方が上回っていたと思います。
それでも優勝は結局プルシェンコだろうと蓋を開けてみれば、まさかの逆転。
このときカメラが大ちゃんのアップを映したのですが、まさか?の表情をしていました。
そうですよね~
たぶんわたしも、世界中の人も同じ顔をしていたのでは。
きっと日本とアメリカ以外は、プルの逆転負けの方がTOPニュースだったりして。
プルシェンコが真ん中でない表彰式は何か不思議な感じだったのですが、プル自身は平静ににこやかにしてましたよね。
(それが表向きだけだったのは、後でわかったのですが)
でもやはり慣れないというか落ち着かないというか。
表彰台を跨いだ件は見逃していて後から知ったのですが、3人でリンクを周り記念撮影に応じる時も、どうも自然に真ん中に来てしまうプルというか、間を自然に空けてしまうライサと大ちゃんというか、やっぱりみんな慣れていないんですね。
以上、感動の余韻に包まれて幸せ気分で仕事を追えて帰宅して、さらに余韻に浸ろうとパソコンチェックを始めたら、さまざまな情報が飛び交っておりました。
そして、FSだけの採点を知って愕然・・・