ニュートラルな気づき 


by honnowa
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実はこのブログは読書日記だったのだ、と久々に思い出して。

タイトル    『Newton 5月号臨時増刊 日食メガネつき 金環日食2012』
著 者     ---
発行所     ニュートンプレス
発行日     2012年5月7日発行
Cコード    ---    
内 容     (Amazonの「商品の説明」より)2012年5月21日午前、日本で25年ぶりとなる「金環日食」がみられます。金環日食とは、太陽の中央部分が月にさえぎられて、残った太陽のふちの部分が “金色の環” のようにみえる現象です。
Newtonでは、日食を安全に観察することができる「ビクセン 日食メガネ」つきの臨時増刊号を2012年3月28日に刊行しました。
動 機     日食メガネがついていたので     
私の分類   娯楽
感 想

ネットショップで買い物するのが苦手なので、近所の書店で、日食メガネと解説本を購入できてよかったです(図書カードも使えたし)
そうでなければわざわざ買わず、この世紀のイベントにTVのニュースを眺めるだけで終っていたかもしれませんし、影の写真を自分で撮ってみようという気も起きなかったでしょう。

わずか61ページに写真や図解が豊富に掲載されていて、太陽の内部構造の様子も紹介されています。
日食メガネで観た太陽は、遮光プレートで真っ黒に見える空間に浅いオレンジ色の形のはっきりわかる物体で、宇宙的というか、科学的に見えました。
それは日常の「太陽」と呼ぶよりも「お日様」に感じる、親近感や詩的なもの、明るさや暖かさ元気の源とは一線を画する姿でした。
本誌の図解を見ると、太陽とは猛々しいエネルギーの爆発そのものなのですが、日食メガネを通して観たものはその本当の姿を実感させてくれました。

解説によると日食メガネで見えるのは可視光線の部分なので、実際には浅いオレンジ(光球)の外側を厚さ約2000km、温度6000~1万℃の彩層と呼ばれるプラズマの層が包んでいるそうですが、図解でみるとまるで「地獄絵図」


さてニュートンプレスのHP上の本書の紹介ページを見ると、
http://www.newtonpress.co.jp/eclipse2012/kounyuu.html

同じ本で「2012年6月6日、今度は日食メガネで『金星の太陽面通過』を観察できます!」と紹介文が変わっておりました。

金星の太陽面通過は6月6日水曜日、朝7時過ぎから午後2時前にかけて見られるそうです。
本書によると、243年に2~4回、次に見られるのは、2117年12月11日。

また「金星食」(金星が月に遮られる)は今年の8月14日の午前2時40分ごろだそうです。
(日の出前なので日食グラスなどの道具は不要)
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by honnowa | 2012-05-23 10:46 |
タイトル    フィギュアスケートに懸ける人々  なぜ、いつから、日本はつよくなったのか
著 者     宇都宮直子
発行所     小学館
発行日     2010年1月19日初版第1刷発行
Cコード    C0295 (一般 新書 日本文学、評論、随筆、その他)
内 容     (本書ソデより)フィギュアスケートの世界を変えた天才スケート選手・伊藤みどりと名伯楽・山田満知子コーチの出会い。愛知県をスケート王国にした人々と、それを支えた学校や企業。有望選手を次々と生みだした長期的な強化戦略…。欧米に引き離されていた日本が、世界有数のフィギュアの強国に変化していくまでの歩みを、貴重な証言をもとにつづる。
動 機     フィギュアスケートが好きなので     
私の分類   娯楽
感 想

この本の感想を書こうと思っても、この本と別の本との間から垣間見える著者の考えに対して、いろいろと感じる部分があり、この本の内容についての感想にならなくなってしまいそうなので、深く印象に残った部分の抜粋に留めておきます。
頂点を極めた二人のスケーターが語った自負の部分です。

伊藤みどりさんの自負
「私は、フィギュアスケートを芸術から競技に変えました。選手にしろ、ジャッジにしろ、観客にしろ、誰もが『あの演技をされたら仕方がない』『これだけの演技を見せられれば、点数を出さざるを得ない』という演技を目指しました。ジャンプの質とか高さとか、そういったところでは、世界中の誰にも負けなかったと思っています」
「(アルベールビル・オリンピックで)女子選手として世界で初めて、トリプルアクセルに2回トライしたこと、後半に跳んだことが評価され、のちにルールに反映されたことも、私の誇りです。今、試合後半のジャンプには、1.1倍の加点がつきます。後半でジャンプを成功させるのは、やはりむずかしいので得点が高くなったのだと思います」

カタリナ・ビットさんの自負
「芸術性はフィギュアスケートの主になるものだから、美しさが演技において有利になることはあるでしょう。でも私には一生懸命練習をしてきた日々がある。誰よりも努力をした。だから、何より内面からあふれるものがあった。オリンピックで勝ちつづけていたころ、私はとても安定していて、ミスもしなかった。技術と芸術性のバランスに優れた演技が、ジャッジは好きだったのだと思います。」
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by honnowa | 2012-01-22 13:05 |

久々に図書館へ

先日久々に図書館へ行き、そしてずいぶん久しぶりにスポーツコーナーの棚をのぞいてみると、フィギュアスケート本がどんと増えていました。
以前この本を借りた時は4、5冊しかなかったのですが、今や15冊。
素晴らしい~♪
さすが味噌国。
司書さんの好みでしょうか。
それともせっせとリクエストを出した方がいるのでしょうか。
いつかその方々と書棚で遭遇したいものです。
話しかけちゃったりして。
私、けして怪しい者ではございません。

さて恩恵に与って1冊借りてきました。
『フィギュアスケート 美のテクニック』(監修:樋口豊 モデル:太田由希奈 企画・執筆:野口美惠 新書館)で、只今絶賛勉強中です。

http://www.shinshokan.co.jp/book/978-4-403-32034-7/

新書館のサイトには特設ページあり、6種類のジャンプの太田さんの実演がみられます。

http://www.shinshokan.co.jp/figure/binotechnique/

予告にある動画第2弾「ステップ」「ターン」が早く視たいです。

本の末尾には特別企画として、太田さんのナンバー「ピアノレッスン」のトレースとステップや技の種類が演技に沿って詳細に紹介されています。
ダイジェストですが、ちょうど動画も見つかりましたので。

sunrise3hill様 「Yukina Ota "The Piano"(digest)」


なんて優雅な所作。
本でも豊富に分解写真が載っていますが、どのコマのどのポーズも美しく、どれほどエレガントに腕を動かしているか軌跡が見えるようです。

さて、本つながりでもう一つ。
25日、浅田真央さんのお誕生日に『浅田真央 Book for Charity』の寄付金額が発表されました。
25,934冊で15,066,613円だそうです。

学研教育出版広報ブログより 「『浅田真央チャリティブック』募金額は1,500万円超に」

大きな金額になりましたね。
私はたった1冊分の寄付ですが、被災地への寄付だけでなく、かわいらしい本も手に入り、世界選手権前後の浅田選手の心境も伺えて、チャリティーに参加できてよかったと思いましたし、ネットや電子書籍に押されている本ですが、本に新しい可能性を広げるユニークな企画だったと思います。

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 1 真央ちゃんについて

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 2 コーチについて

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 3 シュニトケの「タンゴ」

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 4 タチアナ・タラソワ

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 5 究極のスケーター その1

『浅田真央 Book for Charity』 吉田順 5 究極のスケーター その2
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by honnowa | 2011-09-30 23:10 |
先に読んだ『二百十日』で、二人の男の内の片方のテーマは「華族と金持ち」でした。
「華族と金持ち」を豆腐屋にすると息巻くものの、どこか滑稽です。
家業が豆腐屋意外に男の正体は分らないのですが、本人の中では世の中への思いが阿蘇の噴火のように相当なエネルギーが胸中を渦巻いていると錯覚しているようです。
しかし漱石が描写する、男の弥次さん喜多さんのような遣り取りは、とても本気で社会転覆を起こす活動家ではないことを示しています。

さて『野分』では三者三様の男が登場します。
道也先生のテーマは「人格」です。彼の考えでは高い人格は、地位や金銭、能力、才能を上回る最高の価値です。そのために田舎の教師を三度辞め、借金で貧乏暮らしをし、妻にも謗られますが、本人はいたって飄然としています。
自分の生き方に信念があるからです。

大学を卒業したばかりの高柳君のテーマは「高等遊民でないことの不平」ですが、夢見るばかりで結局生産的なことが何もできずにいます。
生活のために積極的に働いて貧しさから脱出することもせず、かといって自分の興味をとことん追求して著作を仕上げることもできません。
大学を出ればそれだけで世間がちやほやし、仕事が舞い込み、楽に生活できると夢見ていたのが現実はそうでなく、しだいに世の中から疎まれていると思い込むようになります。
彼のテーマはともすると「金の無いことへの不平」になりがちで、金が無くても平気な道也先生の境地に畏敬の念を覚えます。

高柳君と友人の中野君のテーマは「高等遊民を邁進すること」です。
鷹揚で、円満で、趣味に富んだ秀才で、富裕な名門に生まれた彼はまるで高柳君と対極な人物ですが、なぜか学生時代から仲が良かった。
しかし大学を卒業し社会に出ると、お互いの出自の差や性格の差がもたらす現実生活の格差をそろそろ気づきつつも、けして自ら友人を見捨てない人の良さを持っています。
風雅を愛し、恋愛にも一家言持つ裕福なお坊ちゃんの中野君ですが、実は高柳君よりも現実をよく知っています。
高柳君のように大学を出てすぐに社会に認められるなどとは夢にも思わず、上が詰まっているから自分たちの時代になるまでに何年も掛かると、淡々と著作を雑誌に発表してゆきます。

高柳君の考えは浅い。
死んでもいいと気軽に考えるのも(物語中、本人は気軽ではないのだが)、道也先生のようにこの世に生まれた仕事を果たそうと思う信念もなければ、中野君のように現実を愛する気持ちもないからです。
ラストの行動も短絡的で、あくまで自己満足で周りへの配慮が明らかに欠けているのですが、本人は真面目にものすごく良い思いつきで円満解決した気持ちでいるのがなんともおめでたい。

漱石はこの物語を通して仮にも大学を卒業したインテリであるならば、金に執着するな、金銭以上の価値を持って生きろと叱咤しているように思えます。
というのも高柳君だけが自分が不幸であると苛まれているからです。

漱石が意図していたかどうかはわかりませんが、私は達観した人間や明るい人間には運がついてくるとの感想を持ちました。
中野君は幸せを絵に描いたような人物だし、『二百十日』の豆腐屋も阿蘇の噴火見物を満喫している、そして道也先生こそ実は運がいい。
奥さんは不平を表しながらも借金の工面をする、借金は本人の知らぬ間に兄が立て替えてくれている、高柳君の行動で借金はチャラになった(但し著作が世に出るかどうかは中野君次第。高柳君は道也先生の著作が中野君を否定する可能性が大であることに気付いていない。また道也先生の兄の立場を悪くすることも知る由もない)、かつて悪さをした教え子が懺悔をするという、人格至上主義の先生が報われることが起こります。
野分の吹く演説会場でのウケの良さは、道也先生に演説の才があり、今後支持者を集めそうな期待感があり、このままの自分の生き方を変えずに自分の道を邁進できそうな予感があります。
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by honnowa | 2011-09-05 00:01 |

二百十日

『新改訂版 俳諧歳時記 秋』(新潮社編) P22~23より

立春から二百十日目。九月一日か二日に当たる。この頃は南太平洋に発生した颱風が本土を通過するため暴風雨となり、花をつけた稲が被害を受けることが多く農家の最も恐れる日である。「厄日」ともいう。「二百十日前」「厄日前」また「厄日過」などの用い方もある。厄日前後の変わり易い天候と平穏を祈る気持ちが籠っている。

・内海や二百十日の釣小船  正岡子規
・瑠璃色のおほぞらのこし厄日去る  渋沢渋亭
・青杉の穂に在る二百十日の日  管裸馬
・古沼に靄の重たき厄日かな  三谷いちろ


Wikipediaより 「二百十日」

今年の二百十日は9月1日です。
Wikiに紹介されていたので、夏目漱石の「二百十日」を読んでみました。

青空文庫より 「二百十日」(夏目漱石)

この小説のなかでは9月2日が二百十日にあたります。
二人の男のほぼ会話だけの物語もしくは戯曲。
どう楽しめばよいのか、ノリがイマイチよくわからないのですが、最後は碌(ろく)さんがうまくまるめこまれてオチなのか、上手くかわしてまだ延々このやりとりが続くのか。


他にも見つけた二百十日の句

・大仏に二百十日もなかりけり  正岡子規
・風少し 鳴らして二百十日かな  尾崎紅葉
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by honnowa | 2011-09-01 00:01 | 文化と歴史
27日の東北公演盛り上がったようですね。
観に行かれた方、参加したスケーターや子供たち、みなさんが楽しそうでよかったです。
心配していた余震も午後からはほとんどなく、何よりでした。

さてこのブログは、本人もほぼ忘れているのですが、本来は読書日記のはずでした。
せっかくですのでパンフレットの中味をちらりと紹介しましょう。

c0100148_0121022.jpg 表紙と裏表紙。


c0100148_0233299.jpg 目次。
昨年のオープニング。


c0100148_0301656.jpg 出演スケーターが見開きで載っています。
全スケーター、ショーや東北に向けての直筆メッセージとサインが掲載されています。
写真は羽生君のメッセージ。


c0100148_0362042.jpg 昨年のショーの様子がたっぷり紹介されてます。
ということは、来年、ショーに行けても行けなくても、パンフレットだけは何としても入手しなくては。
昨年のオープニング。


c0100148_0394986.jpg 昨年のさまざまなコラボ。
舞ちゃん×ジョン
今年のジョンは短髪でした。
ジェフもすごく短かくしてました。
カナちゃん×アモ君
ゲデちゃん×こづ君
男子群舞(ジェフ・こづ・リッポン・むら・健人)
雪組×カーズ


c0100148_0482724.jpg コラボ。
真央ちゃん×プル
女子群舞(ロシェ・あっこ・ゲデ・舞)
姉妹プロ


c0100148_0524798.jpg 左は昨年のバトル主催のジャンプ選手権。
今年はダンス選手権でした。
今年出場の羽生君、客席乱入するは、客席に土下座しまくるは・・・
羽入君に選ばれたお客さんには、ロッテ菓子詰め合わせがプレゼントされました。
右ページは真央ちゃんとこづ君にペアプログラムのインタビュー。
既出の内容でした。


c0100148_154994.jpg 左は昨年のフィナーレ。
右はおもてなしの様子と、振り付け中、お食事中、くつろぎ中。
今回私は香流亭で抹茶セットをいただくつもりだったのに、ショーの後ボーとしてたら閉店時間になり寄ることができませんでした。
残念。


c0100148_119742.jpg 最後のこのページをオープニングに使いました。


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by honnowa | 2011-07-29 00:00 | パフォーマンス
「究極のスケーター」とはフィギュアスケーター浅田真央選手の夢です。
「究極のスケーター」とはどのようなスケーターなのでしょうか。
本書に書かれているフィギュアスケート関係者の言葉から探ってみようと思います。
内容に触れますので、まだ知りたくない方はスルーをお願いします。

初めにお断りしておきます。
本書の中には、試合を熱心に観続けた者にとっては現実とそぐわず、首を傾げたくなる箇所が幾つかあります。
著者はフィギュアスケート専門のライターではなく、今年の2月に出版された『浅田真央 さらなる高みへ』で初めて真央選手やフィギュアスケートについて取材をしたようです。(学研教育出版「広報ブログ」参照)
本書を読むと、素人である吉田さんが短い取材期間中に聞いた話を精一杯誠実に文章化したことがわかります。
頑張って丁重に書いてあると思います。
私の疑問の箇所は、あくまでISUや取材先に対してであり、けして著者を批判するものではありません。


P14、15、16より。
文章の後の〇数字は便宜上つけたものです。


日本フィギュアスケート界の重鎮で解説者の杉田秀男氏は、「ジャンプの矯正」は真央の挑戦の一部分にすぎないと語る。

フィギュアスケートのプログラムは、ジャンプを跳ぶ、スピンを回る、ステップを踏むなどの様々な技術要素が複雑に絡み合って作り上げられる。

それらの技術のすべてに、真央は一から挑戦している。杉田氏によれば、それらの技術の中でも最も大切なのは、スケーティング技術なのだという。

「スケートの基本っていうのは、やっぱり滑ること、すなわちスケーティングなんです。行きつくところに行きつけば、滑りの良さが、すべてを決します。今の真央ちゃんが挑戦していることの根本にも、高度なスケーティング技術の習得があります。佐藤さん(信夫コーチ)が大切にしているのも、まさにそこです」 ……①

たとえば、ブレードの傾斜角度を大きくする、いわゆるディープエッジ。これを身につけると、スケーティングのトップスピードが上がる。

スピードという課題は、真央自身、「強く意識し続けていること」の一つである。
「スピードを出すということは、信夫先生にも久美子先生にもよく指導されますし、乗り越えなければならない課題だと思っています」

助走スピードが上がれば、より高くジャンプを跳ぶこともできるし、飛距離も伸びる。回転も速くなって、着氷も楽になる。 ……②

助走スピードをスピンの回転速度に変換すれば、回転スピードが上がる。スパイラルでも安定感が出て、ポジションをキープしやすくなる。 ……③

それにスケーティングの技術が上がれば、それだけエネルギーのロスが少なくなる。体力を温存できるから、後半の演技でもエレメンツを楽にこなすことが出来るようになる。 ……④

(ジャッジ、解説者の)藤森氏は、「エッジをさらに上手く使えるようになれば、表現の幅も広がる」と語る。
「スケーティングは、フィギュアスケートにおいて最も大切な表現ツールです。エッジワーク技術をさらに上手く使えるようになれば、より深く、幅を持って、曲の持つ魅力や、そこから受け取った自分の感情を表現できるようになるんです。つまり、真央ちゃんの良さが、もっと引き立つようになる」 ……⑤

ただ藤森氏によれば、高度なエッジワーク技術の習得は、そう簡単ではないという。たとえばディープエッジなら、ブレードとともに傾いた体を支えるため、足首とひざを柔軟かつ緻密に使いこなして、バランスを保たなければならない。

「完成度の高いエッジワーク技術の習得には時間がかかります。どんなすごいスケーターだって、時間をかけて円熟させていく必要があるんです。このことは、真央ちゃんも例外ではありません」

そのことは、真央にもよく分かっていた。
「決して簡単ではないし、時間がかかることも分かっていました。でも、やっぱり挑戦したい。教えてもらったことを、少しでも試合に生かしたいと考えていました」


 そのとおりだと思います。でも現実の試合の採点では特に女子で、どうしてこの人のSSが高いのか不思議な人がいますよね。
それとこの発言を裏返せば、「浅田選手はまだまだ高度なスケーティング技術を習得しなくてはならない」ということになりますが、現状でも十分高いスキルを持っているのに、プロが理想とする高い技術とは果たしてどのようなスケーティングなのでしょう。

 浅田選手はスピードが速くないと指摘されることがありますが(本当に遅いのかどうかは知りません)、彼女は高く跳ぶジャンプで、早く回転しています。
ジャンプの上手さで定評のある安藤選手はハイジャンパーではありませんし、スピードが売りの某メダリストは幅跳びジャンプです。
ジャンプと言えばやはり往年の伊藤みどり選手が思い出されます。
彼女は助走のスピードは速く、ジャンプの高さも幅も男子並でしたが、回転はゆっくりでした。
現在の採点では着氷後の流れが重視されており、結局回り切って流れるかどうかであり、ジャンプそのものは選手の体型や筋力、くせなどで個性が分かれるところで、一概にスピードがあればいいものでもないように思います。
スピードが高く評価されている男子チャンピオンは、シーズン前半転倒ばかりしていましたが、あれはむしろスピードがありすぎて制御できていませんでした。
世戦で転倒しなかったのは、スピードをこれまでよりセーブしていたからです。

 浅田選手はスパイラルは既に抜群の安定感、美ポジキープ力があります。
むしろFS「愛の夢」のラストは、助走もなく6秒間キープと小回り周回をやってのけました。
これぞ柔軟性と筋力、そしてスケーティング技術の賜物でしょう。

 これを読むと浅田選手は現状でも十分スケーティング技術が高いことになりませんか。
今年の世戦のみ残念でしたが、09-10シーズン、10-11と彼女は体力のいるフリーの後半で男子並のステップをこなしました。
ジャンプの成否はともかく、スタミナ切れや体力不足は微塵もなく、女子選手では最もタフです。

 この箇所に当てはまるのは、高橋選手とコストナー選手ぐらいしか思いつきません。
TOP選手でも当てはまらない人が多い。
曲の持つ魅力や、そこから受け取った自分の感情表現が素晴らしいのは、プルシェンコ選手と安藤選手ですが、2人ともエッジワークを絶賛されているのを聞いたことはありません。
エッジワーク使い№1の男子と女子選手は、果たして豊かな表現者なのでしょうか。
男子は難しいプログラムをこなせる技術者だと思いますが、私には彼の演技は一本調子でつまらない。
女子は何をやってもワンパターンで有名ですよね。
世戦SPでは有名な原作がある曲を採用しながら、結局いつもの表現力でした。

プロが考える理想のスケーターは、採点という現実問題と乖離しているように思えてなりません。
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by honnowa | 2011-07-10 21:50 |
前回の記事でシュニトケ「タンゴ」の衣装について言いたい放題書いてしまいましたが、私はタチアナ・タラソワの芸術至上主義的なプログラムが大好きです。
マダム・タラソワはそれでいてお茶目でやんちゃな方ですよね。

本書にも嬉しいエピソードが載っていました。
世界選手権のサブリンクでの浅田選手との再会の時のこと、
「来シーズンは必ず、トリプルアクセルを(ショートとフリー合わせて)3回跳んでちょうだいね。それができるのは、世界であなたしかいないんだから」(P59)

熱い人だ~
芸術性重視な方なのに、スポーツであることも忘れていない。
いえ、彼女の考える芸術とは技術を尽くした上で成立するものなのでしょう。
こんな調子でヤクディンもけしかけていたんですね。
タラソワさんはまさに男子選手向けコーチですが、真央ちゃんにはどこまでもこの方に付いて行って、究極のプログラムを目指してほしいです。
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by honnowa | 2011-07-09 12:10 |
前回の記事の続きです。
真央ちゃんのこと以外にも多くの発見がありました。
内容に触れますので、まだ知りたくない方はスルーをお願いします。


フィギュアスケートという競技をする上で、浅田真央選手は資質、容姿、柔軟性の他、フィギュアの盛んな地で生まれ育ったこと、協力的な両親、よいライバルでもあった姉の存在等、とても恵まれていたのに、ファンからみて唯一悩ましかったのがコーチ陣でした。
素晴らしい先生方と出会ってはいるのですがチームになりきれていなかったので、昨シーズンに佐藤コーチに決まった時はほっとしたものです。

佐藤信夫コーチについて彼女はこう語っています。
「信夫先生には、自分(真央)の状態や意見などを、ちゃんと言葉にして、伝えるように心がけています」(P27)
言葉の問題はここ数年の懸案事項でしたから、よかった、よかった。

一方の佐藤コーチ夫妻は浅田選手にことを、
「うまいなあ」、「見とれてしまう」、「まだ、いろいろ課題はある、でも、真央にはやはり、魅力がある」(P71)
と言っておられます。
絶好調とはほど遠かった世界選手権のフリー当日の公式練習でのことです。
かつての恩師アルトゥニアン氏の言葉「真央の武器は美しさ」と重なります。

私は彼女の演技はたとえ転倒も含む調子のよくなかった内容でも、何度でも繰り返し動画を視続けることがあります。
初見こそ辛く残念な気持ちになりますが、二回目見ると点数ほど悪く思えず、やはりその美しさに魅了されます。
彼女の演技は、どの試合、どのEX、どのショーでも、出来に差があっても全て美しい。
その彼女に夫妻は「その良い面をもっと出せるように、これから一緒にがんばっていこう」(P82)と伝えます。
ダイヤの原石をこれまでのコーチや振付師も磨いてきましたが、これからは佐藤両コーチ、そして小塚コーチが技術的に磨いて下さいます。
職人的なエッジの研磨のように、丁寧に。
ファンとしてはこの上もない喜びがこの先待っています。
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by honnowa | 2011-07-03 15:22 |
やっと届いた本をようやく読むことができました。

読後感は浅田真央選手の演技を観た後と同じ優しい柔らかな気持ちになりました。
また同じように彼女の美しさにうっとり心酔し、彼女のアスリート魂に感服してしまいました。

本はチャリティー本と思えないくらい写真も多く、装丁がとてもフェミニンでかわいらしい。
おばさんでもあわあわするくらいなので、男性購入者は大丈夫かしらと少し心配になりかけましたが、大丈夫ですよね、とても真央ちゃんらしい雰囲気ですよね。
みんなでまおまおしましょう。

学研のスタッフさんの良い本を作ろうという気概が伝わりました。
また本の最後の「企画制作協力者一覧」にスタッフさんや協力企業の名前と共に、「本書をご購入いただいた皆様」と大きな文字で列記されており、今回のチャリティーに参加できてよかったと素直に嬉しくなりました。
学研さん、素敵な本をありがとうございます。
また著者の吉田さんもありがとうございます。

この本の収益は日本赤十字社を通して、東日本大震災の義援金として送られます。
まだ購入可能ですので、ぜひ特設サイト及び学研さんの広報ブログをのぞいてみて下さい。

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さて以下から内容に触れますので、まだ知りたくない方はスルーをお願いします。


私は浅田選手についてネットで流れる話をこまめにチェックをしていますが、それでも本書で彼女の良さを新たに発見しました。

例えば真央流”愛の定義”
「愛っていうのは、人を笑顔にさせたり、優しい気持ちにさせたりするものだと思います。『愛の夢』を滑る時はいつも、誰かを笑顔にしたり、優しい気持ち、安らいだ気持ちになってほしいなあと思って、滑ります」(P39)
愛について語る人は多いですが、このような捉え方は珍しいと思いました。
「人を笑顔にさせたり、優しい気持ちにさせたりする」のは、癒し系真央ちゃんの本来というか地の部分でしぜんに無意識でやっていること、できてしまうことに見受けられたのですが、あの彼女の素敵な笑顔には
他者に対する愛の哲学が込められていたのですね。

彼女の”愛の精神”は震災以前に既にチャリティーをやりたいと考えていたこと(P89)や、著者のインタビューに目頭を押さえながら震災の話を語っていたこと(P92)、世界選手権のショートの後夕食を共にしながら村上佳菜子選手を励ましたこと(P69~70)など、私には冒頭の真央ちゃん直筆の「チャリティーブック刊行にあたって」すら彼女の愛の発露に思えます。

もう一つ真央ちゃんについて新たに知ったのは、彼女のモチベーションの在り処です。
お母様の言葉からですが、「真央が一番好きな瞬間というのは、自分が会場全体と、心を一つにした瞬間です。その感動を味わいたい。そう思って、真央は滑り続けているんです」(P87)、「お客さんと一体化したいから」(P90)「自分が完璧な演技をして、お客さんがスタンディングオベーションをしてくれて、みんなが幸せになれた時はものすごく感動する。その感動を、もう一度味わいたい」(P90)
これまでスケートがただただ大好きだった少女がついに一皮剥けましたか。
彼女の演技は内向きと言われることがあり、修験者のような印象を与えていました。
それはそれで魅力でしたが、彼女自身の考える愛をフィギュアスケートで実践しようとする時、『愛の夢』からこの先どのような演技を見せてくれるようになるのでしょう。
楽しみでなりません。
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by honnowa | 2011-07-02 08:22 |