ニュートラルな気づき 


by honnowa
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<   2011年 05月 ( 6 )   > この月の画像一覧

前回の記事でハビエル・フェルナンデス選手を取り上げましたが、彼自身のことよりもどうしてもモロゾフコーチの戦略に目が行ってしまいます。
フェルナンデス選手に限らず、2010-11シーズン、とにかくモロゾフコーチはいろいろな意味で目立っていました。

私は日本人選手のコーチくらいしか把握しておらず、外国人選手のコーチはキスクラの姿を見て初めて知る程度なのですが、モロゾフコーチに関してはどの選手が指導を受けているのかシーズン前に情報がよく出ているので、否応なしにインプットされます。
彼が目立つ理由は他にもあり、自ら振り付けを行なうことにあります。
そして10-11シーズンでは、選手のレベルに合わせたインパクトがあり得点を得やすいプログラム構成、目立つ振り付け、音楽の選択が、一定の効果を上げたように見受けられました。

さてその中で選曲ですが、他の選手の曲とよくバッティングしてましたよね。
たまたま偶然もあるでしょう。
今時の若い選手に似合い、スケートが滑りやすく、ジャッジの印象に残りやすく、観客にも受けそうな曲を、どの振付師も考慮するでしょうから。
でも策士モロゾフの場合、インパクトを強めるためにわざとぶつけてきたのではなかろうかと、つい想像を逞しくしてしまいます。

例えばフェルナンデス選手の場合、まだメジャー国際大会で入賞していない彼をどうして私が記憶しているかと言うと、一つ目はモロゾフコーチの教え子であるから、二つ目が選曲なのです。
09-10シーズンのSPはジェームズ・ボンド 007メドレーでした。
そして10-11のSPは「Histoire d'un amour」+「Nu Pogodi」
前半の「Histoire d'un amour(ある恋の物語)」は高橋選手とバッティングしていますし、なにせあの衣装ですから目立つめだつ。
なぜバッティングする相手がよりによってオリンピック金メダリストと世界王者なのでしょう。
新人の売り込みとしてこの戦略を否定しませんが、今シーズンは彼の個性を確立するようなプログラムにして欲しいです。

さてオマケです。
SP後半の「Nu Pogodi」はロシアのアニメーションです。
調べてみると10分の動画が20エピソードあるようです。
元ネタを探してみました。

音源はこちら、冒頭から約70秒間

boss30121978様 「nu.pogodi.08_torrents-nn.ru」


衣装は色違いですがこちら。

boss30121978様 「nu.pogodi.14_torrents-nn.ru」


狼が煙草をよくくわえているのですが、こちらの動画の2:58あたりでフェルナンデス君がパフォーマンスしてます。


《参考》
Wikipedia 英語版より
http://en.wikipedia.org/wiki/Nu,_pogodi!
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by honnowa | 2011-05-27 17:53 | パフォーマンス
前回の記事の続き(2011/05/25)で、もう一人の選手の演技を視てみます。

GutsuFan様
Patinaje artístico. Mundial 2011. Programa corto masculino (14/29) Javier Fernández


Music
Histoire d'un amour
Nu Pogodi (Russian cartoon soundtrack)
(Choreographer: Nikolai Morozov)

あぁ~ どうしても変な動きと衣装に目が行ってしまう。
策士モロゾフよ、いったいフィギュアで何がしたいんじゃ!
モロゾフコーチの戦略については別記事で取り上げるとして、まず「演技のバランスが取れている選手」かどうかの検証です。

変な動きが多くて検証不能・・・になりそうなのを堪えて、要素の部分だけを注視すると、率直に書いてしまうと、無難と言うか小さな演技という印象です。
実際にプロトコルでもスピンやステップはレベル2か3。
彼はあの変な振り付けをこなす方に多くのエネルギーを注いでいたのかもしれません。
私個人は一つひとつの要素と全体的な振り付けを頑張って演技したのは、17位のアントン・コワレフスキー選手の方に見えるのですけども、軍配はフェルナンデス選手に上がりました。
二人の得点を比較すると、BaseBalueこそコワレフスキー選手が勝っているものの、GOEで逆転され、PCSで更に差をつけられました。
モロゾフコーチの事ゆえ、明らかにGOE・PCS狙いでの振り付けでしょう。

このGOE・PCSで得点をUPさせる振り付けというのが、素人にはまるでわかりません。
フェルナンデス選手の振り付けは手や腰の奇妙な動きが目立つものの、運動量としてはあまり動いていません。
一方コワレフスキー選手の方が全身を使い、演技時間中ずっとよく動いています。
でも評価が高いのはフェルナンデス選手の方。
何なんでしょうね、この採点基準。
このことのもっとも顕著な例は、オリンピックシーズンの女子TOP2の採点です。
4人の例から導き出されるものは、
・振り付けはゆっくりとわかりやすく。
・その中で強く印象的に残るポーズや動きを入れる。それはインパクト重視で、上品さや美しさ、芸術性は問われない。
となるでしょうか。
これが今の採点に適っていることなの思うと、なんだかゲンナリしてきました。
ふぅ。

しかしどんなにおかしなルールでも、それに対して十分に戦略を練り勝ちをめざしていくというのは、やはり試合がスポーツだからこそで、ルールを憎んで選手を憎まず、フィギュアスケートを見て行きたいと思います。
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by honnowa | 2011-05-26 00:09 | パフォーマンス
先日の記事(2011/05/19)で、採点上各項目の順位のバランスが取れている選手を5名ピックアップしました。
採点には意図的操作も行なわれているであろうと私個人は思っていますし、あくまで数字で表れたものを並び替えてみたに過ぎないものですから、それで「演技のバランスが取れた選手」と断じるのも果たしてどうかとも考えたのですが、ただ抽出結果をみる限り、5人のうちの上位3人、パトリック・チャン、小塚崇彦、ミハル・ブレジナ選手について、異論がある方はいないだろうと思います。
3人とも前シーズンは試合に入れなかった、入れても成功が難しかった4回転ジャンプが確実に飛べるようになりました。
元々優れたスケーティングに、技術面でもジャンプの高得点が加わったわけです。

さて他の2人はどうなのでしょう。
動画で確認してみます。
17位 アントン・コワレフスキー選手です。

RiservaISUMosca2011様
ISU Mosca 2011 -16/32- MEN SP - Anton KOVALEVSKI 27/04/2011


Music
Stop Time Rag
(※SP、FSの分担はわかりませんが、Choreographer: Rostislav Sinicyn, Vazgen Azroyan)

どんな選手か思い出せなかったのですが、動画を視て衣装で思い出しました。
この選手も中位クラスの選手なりにバランスの取れた選手と言えると思います。
バランスが取れている=小さく纏まっているになりがちかと思いきや、なかなか面白い演技で退屈しません。
会場も結構沸いてます。
ウクライナの選手なので準ホーム扱いなのかもしれませんが、沸かせるだけの演技をやっています。
26歳の選手です。
2010-11シーズンはベテランが奮起した年でしたが、彼もその一人に加えましょう。。

彼の演技で一番湧いたのは演技最後(動画の3:15あたりから)のスピンでした。
私は各要素ごとにも順位を出してみたのですが、彼の演技中最も評価が高かったのも実はこのCSSpでした。
レベル4にGOEを加え、「1回のみ足換えありの(フライング・スピンの着氷姿勢とは異なる姿勢の)キャメルスピンまたはシットスピン」の要素では30人中6位でした。


  《参考》

ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AF%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC

ISU Biography
http://www.isuresults.com/bios/isufs00004891.htm

Judges Scores
http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_Men_SP_Scores.pdf
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by honnowa | 2011-05-25 12:54 | パフォーマンス
前回の記事(2011/05/19)を書いた後、動画の終わりの方のキスクラで喜ぶチャン選手の笑顔を見ていたら、自分の文章が意地悪く思え、何か釈然としない気分が残りました。

彼のSPに関しては文句なしの1位です。
試合の日、私は帰宅後にストリーミングでLIVE鑑賞したのですが、既に第4グループまで終わっており、チャン選手は圧倒的な点差で1位でした。
最終グループには彼に迫れる実力の選手がいたので期待して視ていたのですが、残念ながら全員微妙な演技でした。
その後チャン選手以外の何人かの演技を動画で確認したのですが、誰もが完璧とは言いがたかったので、パトリック・チャンの演技はジャッジの特別な加点がなくても堂々たる1位だったのは認めざるを得ません。

文句のない1位にも関わらず私が素直に祝福できないのは、彼のスケーティングが好みでない、今回の演技に感動できなかった、他の選手のファンである、きっと彼はジャッジから特別扱いをされているであろう、という私の正直な気持ちの表れなので仕方のないことですが、一方で自分の見方が恣意的であることに気づき、そこをつまびらかにして彼の1位をもっとまっすぐに受け止めようと思うのです。

フィギュアスケートはスポーツか芸術か?
という話しは常に採点の話題に付き纏いますが、私個人はスポーツだと捉えてます。
そしてスポーツらしくあるために、なるべく客観的な基準で採点して順位を決めてもらいたいですし、芸術性とか表現力とか個人の感性で評価の分かれ、本来は点数に換算できるものではないものは、極力採点基準から除外してもらいたいと考えています。
そうすると、味も素っ気もない競技になってしまうでしょうか。
そんなことはないと思います。
ひたすら力技重視の男子体操が女子新体操よりも詰まらないということはありません。
そしてスポーツとして最も大事なのは感動があるかないかでしょう。
どれだけジャッジや観衆を感動させるかどうかです。
その感動を促す一助としての表現力はあっても、表現力=感動ではありません。
多くのスポーツは表現力を必要とせずに勝敗や順位を競いますが、さまざまな感動が試合で生まれ、ファンを惹きつけています。
但し、残念ながらその感動を採点することは難しく、現在の競技の進め方やルールでは不可能です。
なので結局は、スポーツらしく客観的判断のできる技術評価で順位を付けるしかありません。

さて話しをパトリック・チャン選手に戻します。
世界選手権の男子SPは全体的に低調でした。
FSも女子シングルもそうでした。
震災により試合の開催が1ヶ月延期されたことは、選手に様々な影響を及ぼしたでしょう。
その中でノーミスで滑り終えた彼はとても立派です。
まして技の難度でもトップで、Base Value1位でした。
GOEの点数は大いに検討の余地がありますが、それでも他のライバル選手がノーミスでまとめられなかったのですから、TES1位に口を挟む余地はありません。
彼の演技はとてもスポーツ的でした。
ですから好み云々以前に、フィギュアがスポーツだと捉えるのであるならば、私はもっと彼を率直に誉めるべきだと自分の中の矛盾に気付いたのです。
そしてここまで書いてやっと納得できたというか、彼を称える心境に至りました。
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by honnowa | 2011-05-22 16:29 | パフォーマンス
前回(2011/05/15)ライアン・ブラッドリー選手のSPの採点を調べたついでに、参加全30選手の採点についても調べてみました。
採点された全ての項目・要素を点数順に並べ替え、順位をつけてみました。

まず目に付くのが、1位になったパトリック・チャン選手の圧倒的な強さです。
彼のSPの得点は歴代1位の点数ですが、項目ごとでも、TES1位、Base Value1位、GOE1位、PCS1位、SS1位、TR1位、PE1位、CH2位、IN1位でした。
これはただ強いだけでなく、(ISUが奨めるところの)演技のバランスも取れているということでしょう。
このようにバランスが取れた選手が実は意外に少ないのが、順位の表を作ってみるとよくわかります。

各項目の順位が、SPの順位の-5~+5位(これでも幅があるように思うのですが)内に収まり、さらにジャンプで転倒や両足着氷などの大きな減点(ほとんどのジャッジがGOEに-3をつける)がなかった選手を列記すると、
・1位 パトリック・チャン
・6位 小塚崇彦
TES6位、Base Value6位、GOE5位、PCS4位、SS4位、TR4位、PE5位、CH6位、IN6位
・7位 ミハル・ブレジナ
TES4位、Base Value7位、GOE3位、PCS8位、SS9位、TR9位、PE6位、CH9位、IN8位
・14位 ハビエル・フェルナンデス
TES14位、Base Value19位、GOE12位、PCS12位、SS14位、TR14位、PE11位、CH12位、IN11位
・17位 アントン・コワレフスキー
TES18位、Base Value17位、GOE21位、PCS20位、SS21位、TR21位、PE20位、CH18位、IN19位
の5名となりました。

ではチャン選手の演技を視聴してみます。
(実際に私はここで初めて視ます)

sportsnetwork様 2011 Worlds: Patrick Chan short program - from Universal Sports



Music
Take Five by Paul Desmond
(Choreographer: Lori Nichol)

これは確かに1位です、という滑りですね。
動きに淀みが全くなく、隙がありません。
冒頭の4T-3Tは軽々と飛び、スピードはシーズン中の他の試合と比べるとうまく抑制されていますが、それでも速い。
スピンの速さも申し分ありません。
ただし、私個人はあまり感動しないかな。
彼のスケーティングが好みでないと言ってしまえばそれまでですが。
凄いものや素晴らしいものを見た時、趣味趣向を越えて心が奪われることがあるでしょう。
残念ながらそこまでには至らなかったです。

ISUが圧倒的な点数で勝たせる選手の演技には、なぜか感動が乏しいです。


《参考》

Progression of Highest Score
http://www.isuresults.com/isujsstat/phsmsp.htm

スポーツナビ
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/channel/live/show/winter/110&manual=1
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by honnowa | 2011-05-19 02:39 | パフォーマンス
2010-2011年全米チャンピオンのライアン・ブラッドリー選手の引退ニュースを受け、先月の世界選手権のSPの演技を視てみようと思います。
(彼の演技はまだ見ていません。ちなみに全米選手権は視聴済み)

その前に結果のほうを確認すると、SP・FSとも12位。
全米ではSPでの圧倒的な点数で勝った記憶があったので、SP12位は何が起こったのかプロトコルを調べると、意外や減点が一つもないとてもきれいなスコアでした。
ちなみに全ての項目にジャッジが1人も減点をつけなかった選手は、30人中、1位パトリック・チャンとブラッドリー選手の二人だけでした。

また彼が行なったエレメントは、
1 4T+2T
2 3A
3 CCSp3(Change Foot Camel Spin 3)
4 3F
5 FSSp4( Flying Sit Spin 4)
6 SlSt2( Straight Line Step Sequence 2 )
7 CCoSp4(Change Foot Combination Spin 4)
と、難度を落して無難にまとめているわけではないこともわかります。

SPで4回転を実施した選手は8人、その内減点されなかった選手は3人でした。
成功者は
1位 パトリック・チャン 4T-3T(GOE 1.86)
4位 アルトゥール・ガチンスキー 4T-3T(GOE 1.57)
12位 ライアン・ブラッドリー 4T-2T(GOE 0.00)

なぜSPはこの内容で12位にしかならなかったのでしょう。
演技を視る前にもう少し考察を加えてみます。

採点の項目ごとの順位を出してみました。
TES:10位 (BV:5位、GOE:11位)
PCS:16位 (SS:15位、TR:19位、PE:16位、CH:15位、IN:17位) 

またこれまでの国際大会での実績も調べておきます。
(ISUのBiography参照)

 ・10-11シーズン
国際大会の出場は世界選手権のみ。
全米選手権 初優勝。
 ・以前のシーズン
オリンピックの出場なし。
世界選手権 3回出場(最高位は今回の13位)
四大陸選手権 3回出場(最高位は06-07シーズンの4位 
グランプリシリーズの出場はあるものの、グランプリファイナル出場なし。

男子は一部しかストリーミングを視ていないので、滑走順による採点への影響はわかりません。
まあSPではあまり考えなくてもいいかもしれませんが。
ではここで彼のSPを視ることにします。

as77tt様より 「Ryan BRADLEY」


Music
Boogie Woogie Bugle Boy by John Williams
(※SP、FSの分担はわかりませんが、Choreographer: Tom Dickson, Ryan Bradley)

び微妙・・・
それならわざわざブログに書くな、ですが、まぁまぁ、記事を書きながら今視たばかりなので。
演技後の選手の表情を見ると、ご本人にも自覚があるようですし。

微妙だったのは以下の点。
・スピードや躍動感がなかった
・全米に比べ演技に遊び心がなかった
・髪型w(東京に照準を合わせてたんでしょうね)
観客の手拍子もあったので、もう少しノリノリで滑って欲しかったなぁ。

エレメンツごとにみますと、

 1 4T+2T(GOE0.00)
4Tの着地で上体のバランスを崩しましたが、ブレードの流れは止まらずセカンドジャンプへ続きました。ジャッジとしては流れが止まらないことの方がポイントが高いのでしょうか?
2 3A(GOE1.00) 
美しい~ しかもステップから飛んでいます。この加点は妥当なのでしょうか?
3 CCSp3(0.29)
4 3F(0.10)
5 FSSp4(0.14)
6 SlSt2(0.14)
7 CCoSp4(0.07)
スピンの加点が少ないのは、スピード感と、所作に工夫が見受けられないからでしょうか。

こんな取り上げ方で選手にもファンの方にも申し訳ないのですが、難度も低くなく、減点もなく、加点も少ない彼の演技は、他の選手の採点を考察するのにいろいろと考えさせてくれるように思います。


《参考サイト》

全米SP結果
http://www.usfigureskating.org/leaderboard/results/2011/68096/CAT002SEG003.html

世界選手権SP結果
http://www.isuresults.com/results/wc2011/SEG004.HTM
http://www.isuresults.com/results/wc2011/wc2011_Men_SP_Scores.pdf

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by honnowa | 2011-05-15 21:05 | パフォーマンス