ため池市民調査の講習会
(09/02/21の記事参照)で配布されたテキストには、以下のような記載があります。 (P7)
ため池では、昔は、かいぼり(※1)、泥さらえ、藻とりなどをして、池の底泥や水草を田畑の肥料
として利用しました。また、秋の収穫時にはコイやフナを捕って食べていました。こうした行為
は、生態学的に見ると、定期的に池に攪乱を与え池の水深を保つことで、水生植物群落の遷移
が進むのを拒む効果がありました。また、池を干すことで、底泥を還元的な状態から酸化的な状
態(池の生物に好影響をもたらす)効果もありました。池から魚や水草、底泥を取り除くことは、
窒素や燐の栄養塩を取り除くことになり、意図せずして池の水質浄化にも役立っていました。
先日も鳥類事前調査に参加しましたし、このブログにも記事を書いていますから、ため池のことが念頭にあるのでしょう。
『新改訂版 俳諧歳時記(春)』 (新潮文庫)をぱらぱらとめくっておりましたら、「池普請(いけぶしん)」という言葉が目に留まりました。
P68より
池普請 若草の萌える頃になると、貯水池の修理を行う。春の農村風景の一つである。
ひろごれる(※2)藻の根断ち切り池普請 小島登久女
この本は昭和43年の新改訂版です。
「まえがき」によりますと、「新しい季題の追加と、廃れた季題の削除」を行なっているので、当時は農村の一般的な春の風景だったのでしょう。
刈り取られた藻は、その後肥料にリサイクルされたのでしょうか。
今回のため池調査がなければ、おそらく知ることのなかった季語です。
《語句の意味》
※1 かいぼり 【掻い掘り】 (名)スル
(1)池や沼の水をくみ出して干し、魚をとること。[季]夏。
(2)井戸の水をくみ出して、たまった泥や砂を取り除くこと。
『大辞林 第二版 (三省堂)』より
※2 ひろ-ご・る 【広-】(自動四) 広がる。
『新明解古語辞典 第二版(三省堂)』より