ニュートラルな気づき 


by honnowa

2007年 04月 26日 ( 1 )

  『簗図屏風』(図録№10) 作者不詳
    http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060624/p1

図録には、六曲一双の屏風は伸ばした状態で左右に並んでいます。
一隻づつ観るとそうでもないのですが、並べるとなんとも間のびして、しまりのないように観えます。
絵画は美術書や画像でなく、美術館で実物を観ることが大事という例です。
さらに愛知県美術館では、この作品を自然光のように変化する照明装置を用いて展示しています。  ( http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20070413/p1)
まだご覧になっていない方は、ぜひ会場に足を運んでください。
素晴らしい経験になりますよ。
製作当時の貴人たちのように、屏風をインテリア兼建具として部屋に置き、朝な夕なに眺めるという贅沢を疑似体験できます。
朝の光の中では金がとりわけきれいに輝きます。
午後になると、赤。
赤は左隻中央の蔦の葉の先に使われているだけですが、午後の光の中で鮮やかに主張するのです。
そして夕方は黒。
左隻の右から、右隻の左につながって簗が描かれています。
墨色の簗には苔もついています。
お世辞にも見栄えのよい小道具とはいえないものが、夕方からぐっと冴えてくるのです。
褪せた墨色が漆のように深い黒に変わります。
色や光というものは本当に繊細、微妙な不思議な存在ですね。
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by honnowa | 2007-04-26 05:44 | 美術