ニュートラルな気づき 


by honnowa
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「のぞく」の漢字

このブログを書くようになり、自分が「のぞく」という言葉をよく使っているのに気付きました。
使い方としては、本をじっくり読むのでなく、ちょっと目を通した場合。
サイトにコメントなどを残さず、ちょっと立ち寄った場合などです。

「のぞく」には「除く」や「臨く」もありますから、漢字を使用したほうがわかりやすいかなと思い、いまのことろ漢字変換でIME2003が示す「覗く」「覘く」の使い分けに従って入力しています。
IME2003では「覗く」は「(すき間から)うかがい見る。一部見える」とあり、「覘く」は「(立ち寄って)ざっと見る」となっています。
しかしどうも使っていてしっくりしません。
本当のところはどうなんでしょう。
調べてみました。

『大辞林 第二版』(三省堂)には、その区別がありません。
区別はないものの「覗」の字のほうが多く使われています。
『日本国語大辞典 第二版 第十巻』(小学館)も見てみましたが、やはり区別はありません。
また「のぞきこむ」「のぞきみ」「のぞきいわ」など他の言葉は、「覗込む」「覗見」「覗岩」と、すべて「覗」の字になっていました。

『デイリーコンサイス中日辞典』(三省堂)には、「覗」「覘」とも出てきません。
ということは、国字(和製漢字)かと考えましたが、『新選 漢和辞典 新版』(小学館)をみますと、漢字でした。

  覗
  ①<うかが・う> ②<のぞ・く>

  覘
  ①<うかが・う> <のぞ・く>のぞき見る 「覘望(てんぼう)」・「覘視(てんし)」
  ②<ねら・う> 

こちらもはっきりと区別が明記されているわけではありませんが、「覘」に「②<ねら・う>」とあります。
「ねらう」ですから、ちらっと見るのでなく、様子を窺うことになります。
これではIMEの表示と逆です。
IMEは何を準拠としているのでしょうか。

図書館で中辞典にもあたってみました。
『大修館 現代漢和辞典 [机上版] 』(初版)には、

  覗
  うかがう。のぞく
  [字義] ①みる ②のぞく。うかがう 
 
  覘
  うかがう。のぞく
  [字義] うかがう。じっとようすをみる。 
 
念のため『大漢和辞典 縮寫版 巻10』(大修館書店)という大部の辞典にもあたりましたが、こちらにも区別はありませんでした。
明らかに異なるのは熟語の場合で、どの辞書でも国語辞典は「覗」、漢和辞典は「覘」の字が使われていることです。

明記はされていないものの何冊も辞典を見てゆくと、「覘」はもともと何か戦術的な言葉に使われていたのではないかと感じます。
つくりが「占」ですから、古代中国で占術により物事の吉凶を判断していたころの字ではないかなという雰囲気がします。
実際にそのころ作られた漢字なのかどうか、調べる手段がわかりませんので、ここでいったんこの話しは終わらせることとします。

「ちょっと目を通す」といった意味に使うには、「覗」の字がよさそうです。
どちらにしても常用漢字でないので使わない方が無難かもしれません。
かな漢字変換にIME2003を使っている方は、参考にして下さい。
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by honnowa | 2008-07-09 06:57 |