トプカプ宮殿の食器 2
2008年 02月 23日
もう一つ見ていただきたいものがあります。
トプカプ宮殿博物館の公式サイトのサイドバーから
「・Porcelains in the Topkapi Museum 」をクリック。
東洋の陶磁器コレクションの画像を眺めながら、下にスクロール。
一番下の「Dosseman」の文字をクリック。
リンク先のページの上のほうにページの階層が示されていますから、一つ上の階層「Topkapi Istanbul 」に上がっていただき、さらに3ページ目に行ってください。
たくさんサムネイルがありますが、下から5段目、右から2番目です。
ふう、自分で画像を貼ったほうが早かったか。
この「Topkapi 27,jpg」のサムネイルをクリックすると拡大します。
スプーンのコレクションです。
画像がイマイチで残念です。
現地の展示がこのような照明の具合ならば、日本で観ておいて大正解でした。
スプーンのすくう部分が、貝や鼈甲なのがわかるでしょうか。
柄には宝石がはめ込まれています。
珊瑚もありますね。
うかつに落とせません。
本当にこれで食べていたの?、飾り用じゃないの?と思うでしょう。
実際に使っていたようですよ。
それは彼らの食事風景の絵を見れば納得なのです。
画像を探しましたが見つかりませんでしたので、説明だけになります。
展覧会場には資料が掲示してありましたので、その記憶です。
彼らは丸い、折りたたみ式の食卓(豪華なちゃぶ台とも言えます)を囲んで食事するのです。
そして卓に並べられた、これまた金色のまばゆいスープやピラフの鉢や前菜のお皿に、皆してスプーンをつっこんで食べるのです。
ちょっとびっくり。
西洋や、日本のように一人ひとり個別の食器や膳でないのです。
それに中華料理のような取り皿は、資料には見えませんでした。
もしかしてマイスプーンとかお気に入りとかあったのかしらん。
そして人の視線も気になるから、見苦しいスプーンは使いたくないだろうなと思うのです。
それでこんなにもスプーンが華美になったのでしょうか。
では図録の解説から2つご紹介しましょう。
オスマン帝国の食生活で使用されたスプーンは、ピラフ、果物の水煮、ジャム、菓子、
スープなど料理の種類によって異なっていた。宮廷で使用されたスプーンの素材は、
金、銀、合金、ココナッツ、柘植、黒檀、水晶、翡翠、貝、珊瑚など様々で、柄の部分は七
宝や宝石で装飾された。 (P97)
スープは、宮廷や庶民の食卓に欠かせないメニューであった。16世紀の宮廷のスープ・
メニューは40種ほどで、①穀類・豆類などのスープ、②肉・贓物類のスープ、③ヨーグルト
・牛乳のスープ、④鳥肉のスープ、⑤野菜のスープに分類できる。 (P99)
世界三大料理になぜトルコ料理が入るのか、いままで不思議に思っていたのですが、今回この記事を書いて、納得しました。