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ニュートラルな気づき 


by honnowa
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トプカプ宮殿の食器 2

昨日08/02/22の記事のつづきです。

もう一つ見ていただきたいものがあります。
トプカプ宮殿博物館の公式サイトのサイドバーから
「・Porcelains in the Topkapi Museum 」をクリック。
東洋の陶磁器コレクションの画像を眺めながら、下にスクロール。
一番下の「Dosseman」の文字をクリック。
リンク先のページの上のほうにページの階層が示されていますから、一つ上の階層「Topkapi Istanbul 」に上がっていただき、さらに3ページ目に行ってください。
たくさんサムネイルがありますが、下から5段目、右から2番目です。
ふう、自分で画像を貼ったほうが早かったか。
この「Topkapi 27,jpg」のサムネイルをクリックすると拡大します。

スプーンのコレクションです。
画像がイマイチで残念です。
現地の展示がこのような照明の具合ならば、日本で観ておいて大正解でした。
スプーンのすくう部分が、貝や鼈甲なのがわかるでしょうか。
柄には宝石がはめ込まれています。
珊瑚もありますね。
うかつに落とせません。
本当にこれで食べていたの?、飾り用じゃないの?と思うでしょう。
実際に使っていたようですよ。

それは彼らの食事風景の絵を見れば納得なのです。
画像を探しましたが見つかりませんでしたので、説明だけになります。
展覧会場には資料が掲示してありましたので、その記憶です。

彼らは丸い、折りたたみ式の食卓(豪華なちゃぶ台とも言えます)を囲んで食事するのです。
そして卓に並べられた、これまた金色のまばゆいスープやピラフの鉢や前菜のお皿に、皆してスプーンをつっこんで食べるのです。
ちょっとびっくり。
西洋や、日本のように一人ひとり個別の食器や膳でないのです。
それに中華料理のような取り皿は、資料には見えませんでした。

もしかしてマイスプーンとかお気に入りとかあったのかしらん。
そして人の視線も気になるから、見苦しいスプーンは使いたくないだろうなと思うのです。
それでこんなにもスプーンが華美になったのでしょうか。

では図録の解説から2つご紹介しましょう。

  オスマン帝国の食生活で使用されたスプーンは、ピラフ、果物の水煮、ジャム、菓子、
  スープなど料理の種類によって異なっていた。宮廷で使用されたスプーンの素材は、
  金、銀、合金、ココナッツ、柘植、黒檀、水晶、翡翠、貝、珊瑚など様々で、柄の部分は七
  宝や宝石で装飾された。 (P97)

  スープは、宮廷や庶民の食卓に欠かせないメニューであった。16世紀の宮廷のスープ・
  メニューは40種ほどで、①穀類・豆類などのスープ、②肉・贓物類のスープ、③ヨーグルト
  ・牛乳のスープ、④鳥肉のスープ、⑤野菜のスープに分類できる。 (P99)

世界三大料理になぜトルコ料理が入るのか、いままで不思議に思っていたのですが、今回この記事を書いて、納得しました。
by honnowa | 2008-02-23 08:03 | 美術