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ニュートラルな気づき 


by honnowa
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若桑みどり氏の理想の図書館

ネット検索をしておりましたら、若桑みどり氏が大学図書館についての意見を要約したものらしい資料を偶然みつけました。
氏は、さきごろお亡くなりになられた美術史家です。
特にイタリア美術がご専門の方が、どうして図書館について述べていらっしゃるのか、またいつ、どのような機会でまとめられたものなのかわからないのですが、わたしは図書館学に関心があるものですから、記録に残すことにします。 (リンクは張っていません)

  若桑みどり様の
    『6.2 大学図書館に期待するもの -利用者の立場から理想の図書館を考える-』 (http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/pub/tojo/archive/Choken/2000/6_2.html)

この中で、以下の部分がとても気に入ってしまいました。
読むだけでうっとりとしてしまいます。

  ・「瞑想的生(Vita Contemplativa)」の環境
   イタリアには図書館で生涯を送る人々がいる。それをリチェルカトーレ(探求者)と
   いう。大学の教授か,退職した教師か,素人学者か,市民か,それは問題ではない。
   図書館の原点である修道院,信心会図書館には「瞑想・沈思」の空間的環境がある。
   疲労した研究者には花の咲き乱れる中庭と噴水,ベンチがある。

日本の大学の図書館はどうなのでしょう。
わたしは去年と今年と、二つの大学の図書館を見学する機会を得ました。
ともに新しくできたばかりの校舎に置かれた図書館で、開放的できれいでした。
特に昨年見学した図書館は、音楽大学ということもあり、女子学生さん仕様というのか、まるでカフェの中の図書館といった趣でした。
それもまたいいのですけどね。

みなさんは、理想の図書館、お気に入りの図書館がありますか。
わたしは自分の卒業した中学校の図書室が、今でも忘れられません。
当時、築30年の木造校舎の中に置かれた、本棚もテーブルも椅子もすべて木製で年季が入った図書室の雰囲気は、上記の二つの大学や、地元の現在の県立図書館よりもよほど「瞑想的生」に満ちていました。
それはそこに通いつめる本に取り付かれた子供の熱狂が、そういう気を発していたからなのかもしれません。
by honnowa | 2007-12-02 07:11 |