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ニュートラルな気づき 


by honnowa
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14日、日本画家高山辰雄氏が亡くなられました

先日16日、サントリー美術館での『BIOMBO/屏風 日本の美』展で、今上天皇の大嘗祭を飾った東山魁夷作の屏風を観ました。
この屏風は六曲二双で、もう一双は高山辰雄が制作しましたが、9月26日の展示替えとなっていて、残念ながらこの日観ることはできませんでした。
このとき、もうかなりの高齢だがまだ絵を描いていらっしゃるかしらと思ったのですが、亡くなられていたのですね。

報道によると享年95歳。
昨年秋の日展にも自画像を出展していたそうです。
わたしが最後に日展を観に行ったのは、もうだいぶ前になります。
すでに高齢でいらっしゃったのですが、絵に衰えはなく、この人を超える画家はまだまだ出てこないなと感じました。

氏の出身の東京芸大は卒業制作で首席の作品を買い上げるという制度があります。
この卒業制作の展覧会を10年前に観たことがあるのですが、ものすごいメンバーなんですよ。
しかもどの絵も学生の制作とは思えぬ傑作ぞろいでした。
しかし10年経ち、具体的にどんな絵だったかはっきり記憶に残っていたのは、唯一氏の作品でした。
ついでですから、どんな顔ぶれか紹介しましょう。
高山辰雄『砂丘』、黒田清輝(ただし参考出品)、横山大観、平山郁夫、杉山寧、高村光太郎、小磯良平、藤田嗣治、有元利夫などなど。
その時のメモ書きを読むと、氏と杉山寧に驚嘆しつつも、二人のその後の画業をみればそのうまさは当然なのかもしれない。
古い時代から順を観ると、いかにわたしたちの世代は柄が小さく未熟であるか、と記していました。

今回の報道で知りましたが、東山魁夷、杉山寧、高山辰雄の三人を「日展三山」と称するのだそうです。
先の二人は個展を観ているのですが、氏の作品についてはまだまとめて観たことがありません。
情念の世界、精神性、哲学的と言われる氏の作品。
機会があれば、ぜひ氏の世界と対峙したいです。

高山辰雄氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
by honnowa | 2007-09-22 08:55 | 美術