保坂弘司 『レポート・小論文・卒論の書き方』
2007年 08月 23日
著 者 保坂弘司
発行所 講談社
発行日 1978年10月10日第1刷発行
2000年4月20日第3刷発行
Cコード C0100 (一般 文庫 総記)
内 容 高校生、大学生を対象に、レポート類の書き方のコツを示したもの
動 機 自分の弱点を克服するため
私の分類 勉強
感 想 書き方の要点をお伝えしますと、
・ レポートとは「調査報告書」である。
大学生のレポートの場合は +(プラス)意見、主張
・ テーマが与えられても枚数などに制約があるので、すべてを論ずるのは不可能。
よって自身の関心の深い問題に絞ること
・ 資料探し
・ アウトラインの設定
①基本は「起(前提)、承(発展)、転(転換)、結(結論)」
②400字くらいなら「首(前提)、胴(発展)、尾(結論)」
③長い場合は① + 叙(補述)
新材料などで論を補強する
・ 推敲と完成
ところで「推敲」という言葉について、いいお話が載っていました。
みなさん意味はもちろんご存知でしょうけど、謂れまでは知ってましたか。
引用しますと(P152~153)、
中唐の詩人賈島が、官吏の試験を受けるため長安(ちょうあん)の都にのぼったが、ある
日驢馬に乗っていて、「鳥は宿る池辺の樹、僧は敲(たた)く月下の門」という詩の文句を
思い浮かべました。ところがはじめ「僧は敲く」の「敲」の字が定まってきません。「敲(た
た)く」にしようか、「推(お)す」にしようかと、しきりに手真似をしながら考えあぐねているう
ち、馬でやってきた大尹(たいいん)韓愈(かんゆ)に衝(つ)き当たってしまったのです。大
尹といえば郡の長官です。韓愈といえば、当代切っての文章家です。賈島がおわびとと
もに、夢中になって詩の一語を思案していた話をしますと、韓愈も馬を止めてしばらく考え
たあげく、それは「敲」の字になさい、といったというのです。これが「推敲(すいこう)」とい
うことばの起こりですが、賈島が真剣に考え、韓愈が、これまた、身分の距(へだた)りを
も考えず、無名の詩人のために、ただの一語を時間をかけて検討してやったという、この
姿に限りなくひかれるのです。いや心打たれるのです。
「一語いちご直し、文章に磨きをかける」
たかがブログですけど、肝に銘じて書き続けていきたいと思います。