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若冲 『鳥獣花木図屏風』 動物情報について

07/05/19の記事の続きです。

  『鳥獣花木図屏風』(図録№50)  伊藤若冲
    http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060511/p1


展覧会でこの絵を観たときは、1マスごとの色の塗りわけが面白くて近くで見入ってしまい、絵全体の鑑賞を怠っておりました。
それで図版を購入し何度も手元で眺めているうちにやっと気づいたことがあります。
ニホンザル以外の猿がいる。
象の左上です。
これテナガザルでしょう。
その下にいるのはオランウータン?
よく観ると他にも日本にはいない動物が描かれています。
ヤマアラシ。
背景の海か湖には、アザラシが泳いでいるし、
隣の屏風には七面鳥!
え~!
若冲はこれらの情報をどうやって得たのでしょう。

例えばアザラシ。
当時北海道に松前藩はありましたが、松前藩は津軽海峡に近い側にあり、さすがに頻繁にはアザラシも来ないだろうし、間宮林蔵や伊能忠敬の北海道の測量は若冲の死後のことで、オホーツクの風物の情報がどれほど京の一介の絵師に伝わっていたのでしょうか。
テナガザルは中国画で見たことがあるので、その辺が情報源でしょう。
オランウータンは調べてみたら東南アジア生息の動物なので、情報ルートありですね。
(生息地はアフリカでなかったんですね、何事も調べるもんですね)
トラの左上はバクですね。
こちらも東南アジアにいますし、中国画にもありますね。
さて七面鳥。
生息地、アメリカですよ。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「1519年にスペインに、1541年にはイギリスに伝えられた。」とあります。
すると、その後オランダかポルトガルに伝わり、長崎の出島に生きているか剥製かの七面鳥が運ばれてきたのでしょうか。
でもいくら京に住んでいたとはいえ、町画家の若冲がそれらを目にする機会があったのでしょうか。
絵をよく観ますと、形は、さほど動物に詳しくないわたしでもすぐに七面鳥と見当がつくくらい特徴を捉えていますが、色味に乏しい。
そうすると外来の本の挿絵を見て描いた可能性が高そうです。
逆にヤマアラシは背中の針が白、黒のツートンに塗り分けられており、剥製を見ることができたのかもしれません。
また話を聞いただけで、本当に想像力だけで描いたのではないかと思われるのがラクダです。
オランウータンの右にいます。
顔などラクダらしくない。
背中に瘤があるから、ラクダかなあと思うのです。
しかもその瘤が前に左右2つ、後ろに1つと3つあるのです。
同じ展覧会に円山応震(まるやまおうしん)の『駱駝図』が出店されています。
図録の解説によると、

  文政四年(1821)に長崎に来航したオランダ船が、番(つがい)の単峰駱駝(ひとこぶらく
  だ)をもたらした。これは見世物として全国を巡業し、大阪・京都では文政六年、江戸では
  同七年に興行された。
  本図は、この見世物に世間が沸き立つ中で制作されたものといえる。
  応震自身もいずれかの土地で駱駝を実見したことだろう。 

写真と見比べても、駱駝特有の年寄りくさい表情などよく描けています。
写生したんですね。
1800年没の若冲は、残念ながらこれを観ることはできませんでした。

  『駱駝図』(図録№29)  円山応震
     http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/20060430/p1



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by honnowa | 2007-05-27 04:44 | 美術 | Trackback | Comments(4)

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Commented by usarabis at 2007-05-27 12:35
こんにちわ!若冲に興味を持ちました。。夏に展覧会にいってきます。。。honnowaさんのブログに出会ったおかげです。
ありがとうございます。
Commented by honnowa at 2007-05-27 20:23
  usarabiちゃんへ
そう言ってもらえて嬉しいな。
感想教えてね。
Commented by Aiku at 2008-04-23 19:25 x
tak さんのブログで株式会社 INAXのモザイクタイル画を見たいと描かれていましたので、問い合わせの結果をお知らせします。
静岡のショールームはカタログだけおくとの解答のため、問い合わせました。
また、情報あればお知らせします。
(解答内容)
お問合せの「鳥獣花木図屏風モザイクタイル画」は5月24・25日INAX米子ショールーム(鳥取県米子市両三柳5484)のオープニングでご覧頂くことができます。その後はまだ未定ですが岐阜県土岐市の工場に保管される予定です。日程のご確認が条件となりますが工場でもご覧頂くことは可能です。ご検討を頂ければと思います。


Commented by honnowa at 2008-04-23 20:16
  Aiku様
わざわざ問い合わせされたのですね。
お知らせいただきありがとうございます。
わたしは名古屋なので、タイル画は最終的に、同じ愛知県常滑市の本社かタイル博物館にでも収まるだろうから、いずれ観られるだろうとのんびり考えておりました。
土岐は距離的には近いのですけど、工場なんですね。
でも解答によると見学可能なんですね。
でも静岡からですとちょっと大変ですね。
いっそ静岡県立美術館で展示してくれないかしら!
(その場の思いつきなんですけど、いいと思いません?)
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