『論語』の詞より 4
2007年 02月 07日
近き者説(よろこ)び、遠き者来たる。
近い者が喜び懐き、その噂を聞いて、遠くの者が自然にやって来る。そのような政治ができたら、それが一番いいのではないでしょうか。
朝(あした)に道あるを聞かば、夕(ゆうべ)に死すとも可なり。
あしたに道徳の支配する理想社会が生まれたと聞いたら、ゆうべに自分は死んでもいい。
仰げば仰ぐほど、高く聳えている。棄身になって斬り込んでみるが、斬り込めば、斬り込むほど、相手は堅く、全くのところ、刃が立たない。
今まで前に見えていたと思っていると、いつの間にか、背後に廻っている。子は、私のような者をも、親切に、優しく導いて下さる。古い文学書や、史書でひろい教養を。そして、その教養を、礼の実践によって、身についた、確りしたものとして下さる。休みたいと思うが、休むわけにはゆかない。自分の持っているものは、全部、出しつくし、からっぽになってしまうが、子の方は、いささかの変わりもなく、いつも高く聳え立っている。お傍に近寄ってゆきたいとは思うものの、近寄ってゆく手がかりはない。
之を仰げば弥[々](イヨイヨ)高く、之を鑚(キ)れば弥[々]堅し。之を瞻(ミ)るに前に在り、
忽焉(こつえん)として後(しりえ)に在り。
夫子(フウシ)、循循然(ジュンジュンゼン)として善(ヨ)く人を誘(イザナ)ふ。我れを博(ヒ
ロ)むるに文を以てし、我れを約するに礼を以てす。罷(や)まんと欲するも能はず。既(
スデ)に吾が才を竭(ツク)す、立つ所ありて卓爾(タクジ)たるが如し。之に従はんと欲すと
雖(イヘ)ども、由末(ヨシナ)きのみ。
※ [々]はわたしのパソコンでは表記できないので代わりに当てた文字。