ニュートラルな気づき 


by honnowa
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寒露

Wikipediaによると、寒露(かんろ)は二十四節気の第17で、「露が冷気によって凍りそうになるころ。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き止むころ」と説明されています。

さらに細かく分類した七十二候によると、末候が「蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり):蟋蟀が戸の辺りで鳴く」とあります。
今年の寒露は10月9日から23日までなので、末候はだいたい20日前後となります。

「蟋蟀が戸の辺りで鳴く」という説明に、最初は不思議に思いました。
蟋蟀が鳴くのは草群でしょう。
しばらくして、「ああ、寒さも厳しくなり草も枯れてきたのだな」と気づき、さらにようやく蟋蟀も人恋しいのかと至りました。
いえいえ、蟋蟀が寂しいはずはない。
過ごしやすい温度と環境を求めて生理的に場所を移動しているに過ぎません。
蟋蟀を観ている人の寂しさ、人恋しさを投影しているのです。

百人一首の91番に、次の歌があります。
『新版 百人一首』(訳注:島津忠夫 角川ソフィア文庫)より

  きりぎりすなくや霜夜のさ莚(むしろ)に衣かたしきひとりかもねん    後京極摂政太政大臣

現代語訳  
こおろぎが床近く鳴いている霜夜の寒いむしろの上で私は自分の衣だけを片敷いて、たったひとりで寝るのであろうか。わびしいことだなあ。


≪参考サイト≫

「三省堂ワードワイズ・ウェブ」より 「【季節のことば】寒露」





と、ブログとしてまとめてみたものの、実はちょっと違うかなと感じています。

晩秋の霜夜、あれほど喧しかった蟋蟀ももう数少なく消え入りそうに鳴いているのでしょう。
男もぼっち、蟋蟀もぼっち。
でも作者はその詩趣を愛している、と解釈するのは穿ち過ぎでしょうか。


≪作者について≫

後京極摂政太政大臣とは、九条良経(藤原良経)のことです。
相当の教養人で、和歌は俊成に支持し、新古今集の仮名序を書き、佐竹本三十六歌仙絵巻の詞書も書いたとの伝承もあります。
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by honnowa | 2011-10-09 00:01 | 文化と歴史