ニュートラルな気づき 


by honnowa
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フィギュアスケートの試合はスポーツだ

前回の記事(2011/05/19)を書いた後、動画の終わりの方のキスクラで喜ぶチャン選手の笑顔を見ていたら、自分の文章が意地悪く思え、何か釈然としない気分が残りました。

彼のSPに関しては文句なしの1位です。
試合の日、私は帰宅後にストリーミングでLIVE鑑賞したのですが、既に第4グループまで終わっており、チャン選手は圧倒的な点差で1位でした。
最終グループには彼に迫れる実力の選手がいたので期待して視ていたのですが、残念ながら全員微妙な演技でした。
その後チャン選手以外の何人かの演技を動画で確認したのですが、誰もが完璧とは言いがたかったので、パトリック・チャンの演技はジャッジの特別な加点がなくても堂々たる1位だったのは認めざるを得ません。

文句のない1位にも関わらず私が素直に祝福できないのは、彼のスケーティングが好みでない、今回の演技に感動できなかった、他の選手のファンである、きっと彼はジャッジから特別扱いをされているであろう、という私の正直な気持ちの表れなので仕方のないことですが、一方で自分の見方が恣意的であることに気づき、そこをつまびらかにして彼の1位をもっとまっすぐに受け止めようと思うのです。

フィギュアスケートはスポーツか芸術か?
という話しは常に採点の話題に付き纏いますが、私個人はスポーツだと捉えてます。
そしてスポーツらしくあるために、なるべく客観的な基準で採点して順位を決めてもらいたいですし、芸術性とか表現力とか個人の感性で評価の分かれ、本来は点数に換算できるものではないものは、極力採点基準から除外してもらいたいと考えています。
そうすると、味も素っ気もない競技になってしまうでしょうか。
そんなことはないと思います。
ひたすら力技重視の男子体操が女子新体操よりも詰まらないということはありません。
そしてスポーツとして最も大事なのは感動があるかないかでしょう。
どれだけジャッジや観衆を感動させるかどうかです。
その感動を促す一助としての表現力はあっても、表現力=感動ではありません。
多くのスポーツは表現力を必要とせずに勝敗や順位を競いますが、さまざまな感動が試合で生まれ、ファンを惹きつけています。
但し、残念ながらその感動を採点することは難しく、現在の競技の進め方やルールでは不可能です。
なので結局は、スポーツらしく客観的判断のできる技術評価で順位を付けるしかありません。

さて話しをパトリック・チャン選手に戻します。
世界選手権の男子SPは全体的に低調でした。
FSも女子シングルもそうでした。
震災により試合の開催が1ヶ月延期されたことは、選手に様々な影響を及ぼしたでしょう。
その中でノーミスで滑り終えた彼はとても立派です。
まして技の難度でもトップで、Base Value1位でした。
GOEの点数は大いに検討の余地がありますが、それでも他のライバル選手がノーミスでまとめられなかったのですから、TES1位に口を挟む余地はありません。
彼の演技はとてもスポーツ的でした。
ですから好み云々以前に、フィギュアがスポーツだと捉えるのであるならば、私はもっと彼を率直に誉めるべきだと自分の中の矛盾に気付いたのです。
そしてここまで書いてやっと納得できたというか、彼を称える心境に至りました。
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by honnowa | 2011-05-22 16:29 | パフォーマンス