『ピカソとクレーの生きた時代』展 2 肖像画に描かれるならどれがお好み?
2008年 12月 14日
今回6つのピカソの作品が展示されていました。
その内の3つは肖像画で、しかも当時の恋人や愛人を描いたものです。
3作品を見比べながら、自分だったらどの画風で描いてもらいたいかなあ、と考えてみました。
好きな人に描いてもらうなら3つとも、×ですよー
でも巨匠ピカソに描いてもらえるのなら、なんでもOK?
さあ、あなたはいかがでしょうか。
エントリー№1
『フェルナンドの肖像』(1909年)
恋人フェルナンド・オリヴィエを描いたもの。
初期キュビスムの様式で、限定された色彩。
描く対象を様々な角度から観察し、それを絵画の平面状で立方体(キューブ)の組み合わせによって構築的に表現することを目指していた。
(図録P48、49より 作品番号11)
エントリー№2
『鏡の前の女』(1937年)
愛人マリー・テレーズを描いたものと言われている。
キュビスム的な多視点と有機的な丸みを帯びた抽象形態とが、並存して用いられている。
(図録P56、57より 作品番号15)
エントリー№3
『ひじかけ椅子に座る女』(1941年)
親密な関係にあった、写真家であり画家でもあったドラ・マールを描いたもの。
キュビスム的な形態の変形と色彩の強いコントラストを用いている。
(図録P57と58の間?より 作品番号16)
エントリー№2と3については、こちらで画像と解説を確認してください。
『名古屋市美術館開館20周年記念 20世紀のはじまり「ピカソとクレーの生きた時代」展』 > 展示構成 > 『主な作品紹介』
行く前に、パソコンで画像を観ているときには、№2の『鏡の前の女』がいいかなと思いました。
ローランサン風なパステルカラーで、穏やかな感じがして。
でも実物を観たら、№3の『ひじかけ椅子に座る女』がだんぜんいいです。
色がきれいですもん。
美人でなくても、きちんとお化粧したお洒落で迫力のある女性は魅力的でもてるでしょう。
そんな印象です。
№1の『フェルナンドの肖像』も実物はとてもよかったです。
緑、黄土色、灰色、白、黒などの地味な色彩ですが、どれも落ち着いた馴染みやすい色合いで、塗り方も丁寧で、マチエールがいい。
まあ一番いいのは、『二人の座る裸婦』(上記リンク先参照のこと)のように、新古典主義で描いてもらえることですよね。
名古屋市美術館での展覧会は本日までです。